IPJlogo.jpg バックナンバー

IPJ_logo.jpg

第28号

特集:「知財教育」

定価:2,000円(税込)
発行日:2024年3月15日(会員用PDF版は2024年3月1日発行)
amazon_logo.jpg upload_logo.png
目次
巻頭言
・長期経営戦略に資する知財戦略の勧め~経済安全保障問題などを念頭に~
長澤 健一キヤノン株式会社 顧問
特集「知財教育」
・知財学習を支援する「知財力開発校支援事業」
独立行政法人 工業所有権情報・研修館 知財人材部 人材育成環境整備担当
独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)では、全国の高校・高専を対象に「知財力開発校支援事業」を実施しており、この事業による支援を受けた各校で特色ある様々な知財学習の取組が実施されている。その多くは学校の専門性を生かした取組として実施され、また近年では「総合的な探究の時間」の一部として、学校の環境や課題に合わせて柔軟に実施されている。
・知財教育とは何か? その意義を問う!
―日本知財学会知財教育分科会が進める知財教育学―
世良 清、渥美 勇輝、糸乗 前、岩永 勇二、岡田 廣司、片桐 昌直 木村 友久、黒田 潔、杉浦 淳、谷口 牧子、原口 直、松岡 守、村松 浩幸、𠮷田 拓也日本知財学会 知財教育分科会
「知財教育」は産業財産権や著作権を核としながら、アイデアを創造し、あるいは創造されたものをリスペクトする心を育むことによって、人格の完成と共に健康な国民の育成を目的とする教育である。小中学校・高校・高専・大学・大学院と続く各学校段階での知財教育、さらには地域や企業での知財教育の各場面を、日本知財学会知財教育分科会幹事が推し進めてきた教育実践・研究をオムニバス形式で総括した。さらに内閣府による「知財創造教育」との関わりについても言及した。
・T中学校・高等学校の技術科および情報科における知財教育の現状について
𠮷田 拓也東大寺学園中学校・高等学校 情報科、技術科教諭
本稿では、知財教育の現状として、中学校技術科では、「J-PlatPatを用いた調査」、「技術者倫理」、「デジタル作品制作」、高等学校共通教科情報科では、「デザイン思考を取り入れた意匠考案」、「データの読み取りと分析」を紹介している。いずれの授業および実習活動においては、独自の取り組みとして実施しているものであり、生徒の成果物やコメントなどから一定の成果があると見ている。
・一関工業高等専門学校における知財教育の現状と今後の展望
八戸 俊貴一関工業高等専門学校
一関工業高等専門学校における知財教育は大別して以下の4つが存在している。
(1)授業を通したパテントコンテスト*1への応募
(2)知的財産管理技能検定3級の一関試験会場の誘致
(3)パテコンサミットin一関の実施
(4)3年生に対する特許関連の講演会の実施
そのため、本稿では上記4つの概略についての説明を行う。
*1 日本の次世代を担う高校生、高等専門学校生、大学生、専修学校生及び大学校生が、自ら考え出した発明又はデザイン(意匠)について応募し、優秀なものについては優秀賞(出願支援対象)として表彰されるとともに、実際に特許庁への出願の支援を受け、特許権又は意匠権の取得までの手続きを実体験できる。文部科学省、特許庁、日本弁理士会、独立行政法人工業所有権情報・研修館が主催して開催されている。
https://www.inpit.go.jp/patecon/index.html#r10finish
・山口大学における実質的知財教育の実践と展開
陳内 秀樹山口大学 知的財産センター 准教授
生田 容景山口大学 知的財産センター 副センター長・准教授
山口大学では知財教育を2013年から全学で必修化し、これに接続する知財展開科目(16科目)を順次開設した。2016年からは大学院でも必修化した。各学部でも学部に応じた知財科目の開設が進んでいる。これら取り組みで蓄積した教材や指導方法を本学教育だけにとどめず、文科省認定「教育関係共同利用拠点」(2015年~現在)として他大学などにセミナー等で提供するほか、社会人から小学生まで知財教育の機会を広げた。これら教育活動を通じ、学生などに知財に関する意識の変容が起こり、キャリアに生かそうとする姿勢も見られており、知財推進計画2016が示した「国民一人ひとりが知財人財」の実現に寄与している。
・大阪工業大学知的財産教育の20年~守りの知財から攻めの知財へ~
杉浦 淳大阪工業大学知的財産学部/研究科 学部長・研究科長
知的財産制度は、21世紀における工業社会から知識社会への移行に伴い経済社会的な重要性を増している。また、創造を権利化することにより人の精神的充足を満たす制度であることから、大学教育として取り組むべき発展性のある普遍的な制度であることを論証した。大学における知的財産教育の実例として本学の教育カリキュラムを紹介を交えて、大学における知的財産教育の在り方について考察した。
IPランドスケープ
(第19回)IPランドスケープ推進協議会 活動第3フェーズにかける期待~仮想IPLと海外連携~
荒木 充、石田 一裕、井上 博之、唐川 勝吉、友永 忠、中村 栄 IPランドスケープ推進協議会
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.35)著作権ルールができるまで
宮武 久佳東京理科大学嘱託教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO 事務局長補
知財世界の醍醐味
(Vol.31)5-アミノレブリン酸事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
地殻変動に揺れるエンタメ業界
(第7回)日本の映像業界における最新動向と重要トピック
―地殻変動のその後を追いかける②―
弁護士 中山 茂 × 弁護士 國松 崇 ×  TBS 矢内 一正
エンタメ業界(映画・演劇・テレビ・アニメ・音楽・出版・ゲーム等)の法律実務に関する仕組みは、もともと複雑であり、業界特有の要素が強いものであったが、コンテンツ自体が変貌し、ビジネスモデルが時代とともに急速に変化していく状況下で、ますます混迷を極めた状態に陥っている。
本連載では、第1回から第5回までを通して、様々な視点から日本の映像業界が変容しつつある状況を明らかにしてきた。しかし、その間にも「地殻変動」が猛スピードで進行していることは、既に報道等でご承知のとおりである。
本連載第6回と第7回では、その後の映像業界の最新動向や、特に重要なトピックを点検することとして、第6回に続く今回は、①旧ジャニーズ事務所問題、②ビジネスと人権、③宝塚歌劇団問題、④改正障害者差別解消法、そして⑤「宮本から君へ」事件最高裁判決という5つの事柄を鼎談形式で取り上げた。なお、この鼎談は2023年12月12日に行われたものである。
グローバル知財情報
・中国の知財概況
太田 良隆日本貿易振興機構 北京事務所 知的財産部 部長
島田 英昭日本貿易振興機構 香港事務所 知的財産部 部長
中国の知財概況について、「中国の知財政策」と「統計を含めて見る中国の知財動向」の2つに大別し、さらに後者については「専利・商標の出願・審査」、「模倣品・取締り・訴訟」、「知財活用」の3つに分けて順に紹介する。
米国最高裁判例評釈
・商標パロディと表現の自由 Jack Daniel’s Properties, Inc. v. VIP Products LLC, 599 U.S.140(2023)
(合衆国最高裁判所2023年6月8日判決)の解説
平澤 卓人福岡大学法学部 講師
ワシントン便り
蛭田 敦(一財)知的財産研究教育財団知的財産研究所ワシントン事務所所長
知財関連省庁からのお知らせ
・意匠審査基準の一部を改訂しました
~新規性喪失の例外規定の適用手続の要件緩和及び画像意匠として保護可能な範囲の明確化について~
特許庁 審査第一部 意匠課
・海外の意匠制度ユーザーに向けたガイドブック
Your Key to Success:for Obtaining a Design Right in Japanを発行しました
特許庁 審査第一部 意匠課
・「東南アジア知的財産担当官会議」の開催報告
外務省 経済局 知的財産室長 桝田 祥子
・農林水産物・食品の模倣品疑義情報相談窓口を設置
~ジャパンブランドの強化と農林水産物・食品の輸出額目標達成に向けて~
農林水産省 輸出・国際局 知的財産課 地理的表示保護推進室長 氷熊 光太郎
IPジャーナルは知財研フォーラムとIPマネジメントレビューを統合して創刊した新雑誌です。
各誌から引き継いだ連載記事もあります。バックナンバーは各誌のウェブサイトをご確認ください。
知的財産研究所の賛助会員の方・知的財産管理技能士会会員の方へ


PAGE TOP