最新号
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IPジャーナル最新号

第30号

特集
「国境を跨いだ侵害行為」

「国境を跨いで構成される侵害行為について-実務家の立場から-」
「発明の効果に着目した国境を跨いだ侵害行為に関する研究」
「ネットワーク関連発明における属地主義」
「国境を跨いだ侵害行為と特許権」

定価:2,000円(税込)
発行日:2024年9月15日(会員用PDF版は2024年9月1日発行)

2024年10月4日 お知らせ

2024年9月1日に発行しました 『IPジャーナル30号』において、掲載内容に誤りがございました。
お詫びして訂正させていただきます。
正誤表はこちらをご確認ください。

目次
巻頭言
・マーケティングに基づく一気通関の知財マネジメント
本田 圭子株式会社東京大学TLO 代表取締役社長&CEO 弁理士
特集「国境を跨いだ侵害行為」
・国境を跨いで構成される侵害行為について-実務家の立場から-
高橋 弘史パナソニックIPマネジメント(株)IPエグゼクティブエキスパート
「国境を跨いで構成される侵害行為」は、サービス提供地が日本国内であってもサーバーを国外に設置するだけで侵害を回避できるとしたら権利保護の実効が図られない、という文脈で議論される。これは「ネットワーク関連発明」に固有の問題であるため、この問題の対処には「ネットワーク関連発明」とは何かを明らかにする必要があるが、「ネットワーク関連発明」を支える技術は発展段階にあるため困難を伴う。このことが、この問題への対処を難しくする。法改正、現行法の解釈、クレームドラフトのいずれで対応すべきかが議論となるが、本稿ではクレームドラフトに焦点を当てる。
・発明の効果に着目した国境を跨いだ侵害行為に関する研究
田上 彦紀(一社)日本知的財産協会 特許第2委員会委員長
近年、情報通信技術の発達によって、特許発明の構成要件の一部が国外に置かれるケースが容易に想定されるようになり、このような「国境を跨ぐ特許権侵害」に対して特許権を行使できるかが問題となっている。
知財高裁は属地主義の原則を柔軟に解釈して「国境を跨ぐ特許権侵害」が日本特許の侵害になり得ると判示した。本稿では諸外国の事例を踏まえながら知財高裁で判示された「特許発明の効果」をどのように捉え、実務に反映すべきかについて考察する。
・ネットワーク関連発明における属地主義
中尾 直樹中尾国際特許事務所 代表 弁理士(特定侵害訴訟代理業務付記)工学博士
サーバを国外に設置さえすれば特許を容易に回避し得る発明とはどのような発明か、その発明を保護しながら特許権の過剰な保護を避けるには属地主義を柔軟に解釈する条件をどのように規定すればよいのかを検討した。特に、請求項記載の構成の配置と技術的効果を発現させる実施行為、経済的利益への影響の程度、技術的特徴を有体物で実現する実施と無体物で実現する実施に関して考察し、提案している。
・国境を跨いだ侵害行為と特許権
山内 貴博長島・大野・常松法律事務所 弁護士・弁理士
「被疑侵害者の行為の一部が日本国外で行われている場合に、日本の特許権の効力を及ぼせるか」、換言すると、「一部が日本国外で行われている被疑侵害者の行為に特許権を及ぼす場合の準拠法をどのように決定するか」、という問題について、昨今活発な議論がなされている。
寄稿
大山 栄成特許庁総務部国際政策課 国際制度企画官
宮岡 真衣特許庁総務部国際政策課 国際業務班長
小野 隆史特許庁総務部国際政策課 国際業務係長
本年5月、WIPOにおいて、特許に関する条約として約25年ぶりとなる知的財産、遺伝資源及び関連する伝統的知識に関する新条約が採択された。WIPOにおいて、遺伝資源及び遺伝資源に関連する伝統的知識を扱う初の条約となる。本稿では、条約の交渉・採択の場となった外交会議における議論を踏まえつつ、長年にわたる交渉に終止符を打った新条約の条文の内容について解説する。
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.37)「先生」と呼ばないで
宮武 久佳東京理科大学嘱託教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO 事務局長補
知財世界の醍醐味
(Vol.33)ローストビーフ事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
地殻変動に揺れるエンタメ業界
(第9回)日本の映像業界を揺るがす生成AI―急拡大するAI生成物とこの先の未来―
弁護士 中山 茂 × 弁護士 國松 崇 ×  TBS 矢内 一正
エンタメ業界(映画・演劇・テレビ・アニメ・音楽・出版・ゲーム等)の法律実務に関する仕組みは、もともと複雑であり、業界特有の要素が強いものであったが、コンテンツ自体が変貌し、ビジネスモデルが時代とともに急速に変化していく状況下で、ますます混迷を極めた状態に陥っている。
本連載第8回では、これまでの議論の中心の1つであった動画配信ビジネスについて、その現状と課題を明らかにした。本連載第9回では、近年急速にビジネスでの利活用が進む生成AIについて、その現状と課題を論じたいと思う。今やAI生成物があちらこちらに氾濫しているが、この先の未来はどうなるのだろうか。
グローバル知財情報
関 景輔特許庁審査第三部審査官(医療(医薬品製剤))
(前 独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)ドバイ事務所 知的財産権部長)
本稿では、中東・アフリカ地域の知的財産の全体像、主要な国・機関のトピックを紹介し、当地の知的財産に関する最新の動向を紹介する。
米国最高裁判例評釈
・過去の著作権侵害行為による損害賠償等を遡及的に請求できる期間
Warner Chappell Music, Inc. v. Nealy, 601 U.S. ___(2024)
合衆国最高裁判所2024年5月9日判決の評釈
尾島 明最高裁判所判事
ワシントン便り
蛭田 敦(一財)知的財産研究教育財団知的財産研究所ワシントン事務所所長
知財関連省庁からのお知らせ
・従業員向けパンフレット「知っておきたい営業秘密」のご紹介
~日々の業務で営業秘密に接する“従業員”目線で留意すべきポイントを解説~
経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 室長補佐 望月 孝洋
調査員 石原 優輝
係員 中村 彩希
・模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告及び海外展開支援室の取組
~2024年版年次報告書公表のお知らせ~
特許庁 総務部 国際協力課 海外展開支援室
IPジャーナルは知財研フォーラムとIPマネジメントレビューを統合して創刊した新雑誌です。
各誌から引き継いだ連載記事もあります。バックナンバーは各誌のウェブサイトをご確認ください。
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