最新号
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IPジャーナル最新号

第32号

特集
「中小企業の知財支援」

「中小企業向け特許情報支援-AIを活用した迅速・低コスト化の試み-」
「持続可能な知財ビジネスマッチング~弁理士が始めるマッチングプラットフォーム~」
「知財戦略策定のための支援」

定価:2,000円(税込)
発行日:2025年3月15日(会員用PDF版は2025年3月1日発行)
目次
巻頭言
・革新的な医学研究成果をどうするか
石埜 正穂札幌医科大学教授
特集「中小企業の知財支援」
・中小企業向け特許情報支援 -AIを活用した迅速・低コスト化の試み-
松尾 望(一財)知的財産研究教育財団 知的財産研究所 研究部 上席研究員
三橋 朋晴一般財団法人 日本特許情報機構 特許情報研究所 研究管理課長
中小企業などの知財活用の促進を図ることを念頭に置いた特許庁事業「人工知能を利用した特許情報分析等有効性に関する調査実証研究」で、特許情報支援の迅速かつ低コスト化を目指した分析モデルを試作し、支援現場における種々のニーズを聴取した。AI技術が急速な進展を示す中、本調査研究により得られた支援現場におけるこれらの知見が、中小企業支援の場で活用され、新たな技術や製品の開発などにつながっていくことを期待したい。
・持続可能な知財ビジネスマッチング~弁理士が始めるマッチングプラットフォーム~
富澤 正PATRADE株式会社 社長
他者のリソースを活用して新たな新規事業を起こすオープンイノベーションが広がる中で、他社のリソースである知的財産権を活用して新たな新規事業を起こす知財ビジネスマッチングも同様に広がってきている。知財ビジネスマッチングが広がることは、知的財産権を持つ権利者にとっても、知的財産権を活用する使用者にとってもメリットがある。知財ビジネスマッチングの発展は特許業界を活性化させるスキームであると考えている。
本文では、知財ビジネスマッチングの概要、成功事例、実現に対する実施例などを紹介し魅力を伝えていく。
・知財戦略策定のための支援
野崎 篤志株式会社イーパテント 代表取締役社長/知財情報コンサルタント®
本論考では中小企業の知財戦略策定支援における特許情報の活用を中心に解説した。戦略を「自社の保有資源を踏まえた現在地と目的地を結ぶルート」と定義し、3C分析や無料データベース・ツールを活用した特許情報分析のステップを提案した。中小企業は大企業と比べて意思決定が早く、特許情報のビジネスへの活用が進みやすい反面、リソース面の制約を克服するために生成AIツールの活用が望まれる。
寄稿
・新たな活動ステップに入ったIPランドスケープ推進協議会
“日本産業界の強化“に向け当会が果たしたい役割とは!?
荒木 充IPランドスケープ 推進協議会 幹事
井上 博之IPランドスケープ 推進協議会 代表幹事
中村 栄IPランドスケープ 推進協議会 幹事
後藤 文郷IPランドスケープ 推進協議会 代表幹事
2020年12月の設立以降、今年で活動4期目となるIPランドスケープ推進協議会は現在、参加企業が107社(2025年1月1日現在)まで拡大し、新たな活動ステップに入った。2023年からは、欧州や韓国などで活動するIPL実践団体との連携を積極的に推進。2024年には、企業におけるIPL活動の普及・底上げを目的に、「IPLの標準型」策定の検討に着手した。本稿では2022年から継続中の、異業種企業混交の複数チームによる「仮想IPL」を含め、これらの分科会活動について紹介するほか、日本産業界の強化に向けて、本協議会が今後どのように貢献していくのか、どのような役割を果たしていきたいのかを分科会リーダーのディスカッションを通じて言語化を試みる。
※本稿は、2024年10月4日に行われた「2024知財・情報フェア&コンファレンス」の特別フォーラムに登壇した際の内容を編集したものである。
IPランドスケープ
(第21回)IPランドスケープを基軸とした知財マネジメントの革新
―オムロンにおける両利きの知財活動の体系化と実践―
奥田 武夫オムロン株式会社 技術・知財本部 知的財産センタ センタ長
熊巳 創オムロン株式会社 技術・知財本部 知的財産センタ 知財専門職
吉川 泰司オムロン株式会社 技術・知財本部 知的財産センタ 知財企画部 シニア
戸田 敬一オムロン株式会社 技術・知財本部 知的財産センタ 事業支援部 シニア
小代 修平オムロン株式会社 技術・知財本部 知的財産センタ 事業支援部 主査
嶋村 武紘オムロン株式会社 技術・知財本部 知的財産センタ 知財企画部 主査
荻野 利基オムロン株式会社 技術・知財本部 知的財産センタ 事業支援部 主査
本稿では、IPランドスケープを基軸とした知財マネジメントの革新について、オムロンの事例を通じて考察する。当社の知財マネジメントは、創業者・立石一真氏の「特許を取ることは技術者の生業である」という理念を基盤としている。この理念の下、知財センタでは「両利きの知財活動」を展開し、独占排他型と共有共鳴型の知財戦略を両立させることで、事業価値と社会価値の創出を追求している。具体的な取り組みとして、IPランドスケープを活用した3C分析により、経営戦略・事業戦略の立案支援と新規アプリケーションの探索を実施している。さらに、生成AIを活用した知財情報分析の高度化により、業務効率の向上と新たな知財戦略の展開を推進している。特に、知財センタは社会的課題解決に向けて、中期経営計画SF2030と連携した知財戦略を展開している。本稿では、これらの取り組みを紹介し、創業理念を継承しながら現代の経営環境に適応した知財マネジメントの革新的なモデルを提示する。
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.39)日本語というコスト(1)
宮武 久佳東京理科大学嘱託教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO 事務局長補
知財世界の醍醐味
(Vol.35)レトルトパウチ事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
グローバル知財情報
・欧州知財の最新動向
吉森 晃日本貿易振興機構(JETRO) デュッセルドルフ事務所 知的財産部
中村 勇介特許庁審査第三部審査官(生命工学)(前 日本貿易振興機構(JETRO) デュッセルドルフ事務所 知的財産部)
欧州知財の最新動向について、欧州単一効特許・統一特許裁判所制度の現状や標準必須特許の動向に加え、欧州連合司法裁判所、ドイツ最高裁判所、欧州特許庁の拡大審判部、欧州知的財産庁の審判・大合議体の最近の判決・審決を紹介する。特に、欧州単一効特許・統一裁判所制度については、どのようなインパクトを与えているか、現地専門家の意見などを踏まえ、解説する。
米国最高裁判例評釈
・生存する他人の名前を商標登録することの制限と表現の自由
Vidal v. Elster, 602 U.S. 286(2024)(合衆国最高裁判所2024年6月13日判決)の解説
尾島 明最高裁判所判事
石井 奈沙東京地方裁判所判事
ワシントン便り
蛭田 敦(一財)知的財産研究教育財団知的財産研究所ワシントン事務所所長
知財関連省庁からのお知らせ
・2024年意匠五庁(ID5)会合を日本で開催しました
~生成AI等の新技術がもたらすデザイン保護の新たな課題への関心が高まっています~
特許庁 総務部 国際政策課 審査第一部 意匠課
・「中東・北アフリカ知的財産担当官会議」の開催報告
外務省 経済局 知的財産室長 桝田 祥子
IPジャーナルは知財研フォーラムとIPマネジメントレビューを統合して創刊した新雑誌です。
各誌から引き継いだ連載記事もあります。バックナンバーは各誌のウェブサイトをご確認ください。
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