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第22号
特集:「商標審査の効率化へ向けて」
定価:2,000円(税込)
発行日:2022年9月15日(会員用PDF版は2022年9月1日発行)
目次
巻頭言
・日本商標協会について
飯村 敏明日本商標協会会長 ユアサハラ法律特許事務所 パートナー 弁護士
特集「商標審査の効率化へ向けて
・商標審査効率化・ユーザー出願支援に関する調査研究について
石戸 拓郎特許庁 審査業務部商標課 商標制度企画室 課長補佐
神前 博斗特許庁 審査業務部商標課 商標制度企画室 審査官
特許庁では、令和3年度産業財産権制度各国比較調査研究として「商標審査効率化・ユーザー出願支援のための指定商品・役務に関する料金等施策及び出願支援ツールについての調査研究」を実施した。本調査研究では、諸外国の知財庁における商標審査効率化のための施策や、インターネットによる商標登録出願システムの実態について、文献調査やヒアリングを実施し情報を収集した。本稿では、本調査研究で明らかになった諸外国の取組などについて結果を報告する。
・昨今の我が国商標制度についての一所感 ~商標弁理士の立場より
加藤 ちあき窪田法律事務所 弁理士
ここ数年、日本国特許庁における商標登録出願件数は増加傾向にあると聞く。出願件数の増加によって未処理案件も増え審査に遅延が生じているようだ。しかし、これには2020年から現在も続く新型コロナウィルスの感染拡大も大きく関係しているように思う。本稿では、制度ユーザーとしての商標弁理士の立場から、ここ3年程の間に実際に起きた出来事を中心に、商標世界の一端と関連するいくつかの問題について、筆者自身の経験を踏まえながら所感を述べたいと思う。
・各国・地域の知財庁における商標審査効率化への取組み
引地 麻由子(一財)知的財産研究教育財団知的財産研究所 主任研究員
今般、知的財産研究所では、特許庁の委託を受け、世界の10の国・地域における商標審査効率化に向けた取組み(指定商品・役務に関する料金等施策、及びオンライン出願支援ツール)の現状について調査を行った。本稿では、各国・地域で採用されているこれらの施策とツールの概要を紹介する。あわせて、これらの施策やツールを日本に導入することへのニーズについて、日本企業を対象に実施したヒアリング調査の結果を紹介する。
IPランドスケープ
(第14回)知財・無形資産ガバナンスでの企業価値向上に向けたIPランドスケープの活用
(知財ガバナンス研究会の活動やNTTコミュニケーションズの事例紹介)
菊地 修HRガバナンス・リーダーズ株式会社 フェロー 知財ガバナンス研究会 幹事
松岡 和NTTコミュニケーションズ株式会社 イノベーションセンター 技術戦略部門3G 知的財産担当 担当課長(弁理士)
知財ガバナンス研究会 知財情報活用分科会 代表
上場企業は、2021年6月改訂のコーポレートガバナンス・コードにより、知財投資を取締役会で実効的に監督すると共に具体的に開示することが新たに要請された。この要請に対応できるように内閣府は、2022年1月に「知財・無形資産ガバナンスガイドライン」を公表し、IPランドスケープを駆使して企業の価値創造ストーリーを策定し、持続的成長力を高める知財・無形資産投資活用戦略を実践することを求めた。そこで本稿では、この実践手法を検討している知財ガバナンス研究会の活動を紹介すると共に、その活動事例としてNTTコミュニケーションズでの取り組みと、今後の知財部門の目指すべき姿を解説する。
知財法論壇
(第16回)知的財産権の保護を巡る外交モデルの一考察
―明治期の日本と欧米諸国の外交過程から―
靏岡 聡史慶応義塾大学 SFC研究所 上席所員
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.29)「I love you」がない言語
宮武 久佳東京理科大学嘱託教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO 事務局長補
知財世界の醍醐味
(Vol.25)脂質含有組成物事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
地殻変動に揺れるエンタメ業界
(第2回)日本の映像業界で働くスタッフたち ―人材流出を食い止めるために―
弁護士 中山 茂 × 弁護士 國松 崇 × TBS 矢内 一正
エンタメ業界(映画・演劇・テレビ・アニメ・音楽・出版・ゲーム等)の法律実務に関する仕組みは、もともと複雑であり、業界特有の要素が強いものであったが、コンテンツ自体が変貌し、ビジネスモデルが時代とともに急速に変化していく状況下で、ますます混迷を極めた状態に陥っている。
本連載第1回では、「日本の映像業界における契約文化―村社会に迫るグローバル化の波―」と題し、我が国の映像業界において「なぜ契約書が取り交わされてこなかったのか」という問題を主題的に論じた。その中では、例えば、「我が国の映像コンテンツ業界では(...)いちいち契約書を作成せずに請求書等の簡易的な書面だけで済ませることが多かった。特に仕事の役割や内容が固定化・専門化しているスタッフ(演出部・制作部・記録・ヘアメイクなど)やサッショーロク・美術・衣裳等を請け負う業者との契約では、その傾向が顕著であったし、ワンチャンス主義が適用される映画等では、キャストとの間で出演契約を締結することすら極めて稀であった」というようなことも実務上の事実として述べた。
本連載第2回では、表題のとおり、日本の映像業界で働くスタッフたちに焦点を当てて議論する。これはひとえに、我が国の映像業界における地殻変動が「人材流出」というかたちで表面化しつつあり、それをいかにして食い止めるかが、喫緊の課題であるように思われるからである。
グローバル知財情報
・中東・アフリカ地域の知的財産の最新動向
関 景輔独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)ドバイ事務所 知的財産権部長
本稿では、中東・アフリカ地域の知財の全体像、主要な国・機関のトピックを紹介し、当地の知的財産に関する最新の動向を紹介する。
ワシントン便り
石原 徹弥(一財)知的財産研究教育財団 知的財産研究所ワシントン事務所 所長
知財関連省庁からのお知らせ
・近時の著作権法制と著作権関連施策の動きについて
~第208回国会での著作権法関連改正・著作権契約書作成支援システム・海賊版対策情報ポータルサイトの公開~
文化庁 著作権課 著作権調査官 弁護士 三輪 幸寛
・模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告及び模倣品対策室の取組
~2022年版年次報告書公表のお知らせ~
特許庁 総務部 国際協力課 模倣品対策室長 杉山 卓也
・クラウドファンディングと意匠権
~クラウドファンディング活用企業による意匠登録事例集~
特許庁 審査第一部 意匠課
・商標の国際登録出願の電子出願の受付を開始しました
~Madrid e-Filing による出願受付開始について~
特許庁 審査業務部 出願課 国際意匠・商標出願室
・「デジタル社会における不正競争防止法の将来課題に関する中間整理報告」のご紹介
経済産業省経済産業政策局 知的財産政策室 室長補佐 黒川 直毅
経済産業省経済産業政策局 知的財産政策室 調査員 橋本 優里花
・「限定提供データに関する指針」改訂のご紹介
経済産業省経済産業政策局 知的財産政策室 室長補佐 黒川 直毅
経済産業省経済産業政策局 知的財産政策室 調査員 橋本 優里花
・改訂版「秘密情報の保護ハンドブック」の概要
~令和4年5月改訂のねらいとポイントの解説~
経済産業省経済産業政策局 知的財産政策室 室長補佐 望月 孝洋
経済産業省経済産業政策局 知的財産政策室 係長 金見 あやか
・全国6都市で「つながる特許庁」を開催
~知財の活用でビジネスチャンスの拡大をサポートします~
特許庁 総務部 普及支援課 地域調整班
・特定任期付外務省職員の募集
~経験・知識を活かし、外務省知的財産室長として働いてみませんか~
外務省 知的財産室