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第16号

特集:「写真と著作権」

定価:2,000円(税込)
発行日:2021年3月15日(会員用PDF版は2021年3月1日発行)
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目次
巻頭言
・日本の更なる発展に向けて
足立 直樹日本デザイン保護協会会長 凸版印刷株式会社特別相談役
特集「写真と著作権」
・写真の著作物性をめぐる実務上の諸問題
池村 聡弁護士
カメラやカメラ機能内蔵機器の普及、そしてSNS等の活況により、「写真」は名実ともに「一億総クリエイター」「一億総ユーザー」の象徴であると言える。写真の著作物性については、従来より、写真から客観的に判断することが困難であることを理由として判例、学説ともに結論としてかなり緩やかに著作物性を肯定する傾向にあり、実務上は、単純な写真も含め、著作物であるとの前提で行動をせざるを得ない現状にある。本稿は、かかる現状は望ましくないとの認識のもと、上記傾向を是正すべきであると提言するものである。
・リツイート事件
最高裁判所第三小法廷令和2年7月21日判決
平成30年(受)第1412号発信者情報開示請求事件
民集74巻4号1407頁・裁判所時報1748号3頁
上野 達弘早稲田大学法学学術院教授
ツイッターにおける写真の無断投稿およびそのリツイートによる著作権および著作者人格権侵害が問題となった発信者情報開示請求事件の上告審において、最高裁は、元ツイートのリツイートに伴うトリミングによって元の写真における著作者名が表示されなくなったことについて、リツイート者による氏名表示権の侵害を肯定した。もっとも、本件は発信者情報開示請求事件であり、実際にも全面的な抗弁がなされたとは言い難いこと等から、本判決の射程については慎重な検討を要する。
・写真の著作物の理論的構造
島並 良神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科・法学研究科 教授
写真は、既存の被写体をカメラを介して機械的に平面へと写し撮るものであることから、著作権法上さまざまな点で特別な考慮が必要となる。たとえば、創作性は被写体を二次元に落とし込む工夫において判断され、一般的なフィルム写真では(複数の)プリントが原作品となるのに対してデジタル写真では原作品は存在しない。その他、著作権侵害成立要件である依拠性と類似性、および付随対象著作物の利用にかかる権利制限を採り上げて検討する。
寄稿
中川 隆太郎弁護士・Fashion Law Institute Japan 研究員
近時、知財高裁の裁判例が相次いで商標法4条1項8号を厳格に解釈した結果、出願人が自己の氏名を商標として登録することが事実上困難となっており、デザイナーの氏名をブランド名とすることの多いファッション業界などを中心に波紋を呼んでいる。そこで本稿では、このような厳格な解釈の問題点を改めて検証した上で、それを克服するためのこれまでの議論を4つのアプローチに整理して検討し、今後の法解釈の展開(あるいは立法による解決)に向けた素材の提供を試みる。
IPランドスケープ
(第9回)“ダイセル版“ IPランドスケープへの奮戦記
江川 祐一郎株式会社ダイセル
伏見 友紀株式会社ダイセル
若槻 智美株式会社ダイセル
知財法論壇
(第11回)同志社大学知的財産法研究会
山根 崇邦同志社大学法学部教授
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.23)「論理的な」文章と「心を打つ」文章
宮武 久佳東京理科大学教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO 事務局長補
知財世界の醍醐味
(Vol.19)羅漢果エキス事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
シリーズ「企業に聞く - 知財と標準化」
(第18回)「市場創生、社会貢献のためのツールとしての標準化」
~木村工機株式会社~
福永 敬一一般財団法人日本規格協会 標準化研究センター
論考
・SDGsに向けた自社取組やESG投資に役立つIPランドスケープ
目標6(水・衛生)をテーマとして
山内 明株式会社知財ランドスケープ CEO
近年、SDGsへの取組が盛んであり、知財業界においてもSDGs指標としての特許情報活用が提唱され、ESG投資の判断材料として、持続的な課題に対する保有特許のポテンシャルをスコアリングし、可視化する動きも見受けられる。しかしながら、具体的な分析事例の紹介はあまり見当たらない。
本稿では、ESG投資の確度を高めたい投資家や、自社立ち位置に鑑みてSDGsに取り組みたい企業関係者を想定し、これらの取組に役立ち得る分析事例を紹介したい。
ワシントン便り
石原 徹弥(一財)知的財産研究教育財団 知的財産研究所ワシントン事務所 所長
知財関連省庁からのお知らせ
種苗法の一部を改正する法律の概要
農林水産省 食料産業局 知的財産課 首席審判官 芦田 泰裕
第6回意匠五庁(ID5)会合が開催されました
~更なる国際的な協調や利便性の向上に資するプロジェクトに合意しました~
特許庁 総務部 国際政策課 審査第一部 意匠課
画像・建築物・内装の意匠登録が始まりました
特許庁 審査第一部 意匠課
IPジャーナルは知財研フォーラムとIPマネジメントレビューを統合して創刊した新雑誌です。
各誌から引き継いだ連載記事もあります。バックナンバーは各誌のウェブサイトをご確認ください。
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