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第13号
特集:「令和元年意匠法改正」
定価:2,000円(税込)
発行日:2020年6月15日(会員用PDF版は2020年6月1日発行)
目次
巻頭言
著作権法改正案について
今里 讓文化庁次長
特集「令和元年意匠法改正」
・令和元年意匠法改正及び改訂意匠審査基準の概要
特許庁 審査第一部意匠課意匠審査基準室
IoT時代の新技術や企業の長期的なブランド戦略に対応できる意匠制度の再構築を行うべく、令和元年に意匠法の抜本的な見直しが行われた。本稿では、当該意匠法改正の概要及びこれに則した改訂意匠審査基準の概要を紹介する。
・改正意匠法の特徴と実務における影響・留意点
青木 博通ユアサハラ法律特許事務所 弁理士
改正意匠法が2019年5月17日に公布され、一部の規定を除いて、2020年4月1日に施行された。
デジタル技術を活用したデザインの保護やブランド構築等のため、意匠制度を強化することが、意匠法改正の趣旨である。
平成10年(1998年)以来の大改正の特徴、改正法による実務における影響およびその留意点について、解説する。
・意匠法改正についての経営学と法学の架橋:特に経営学からみた評価
吉岡(小林)徹一橋大学イノベーション研究センター 講師
青木 大也大阪大学大学院法学研究科 准教授
秋池 篤東北学院大学経営学部 准教授
森永 泰史京都産業大学経営学部 教授
本稿は、令和元年の意匠法改正のうち実体的な改正内容について、経営学の観点から評価を加え、その妥当性と改正法が有効に機能する場面について議論するものである。デザインの役割、新規性の効果、そしてブランド構築に対する役割について、経営学の研究の到達点を整理し、そこから本改正が整合的であることを確認した。特に関連意匠制度の拡充はイノベーションの普及に寄与する活用が可能であると考えられる。他方で、ブランドの保護に資する改正が、イノベーションの創出の動機を低下させる可能性も考えられた。
寄稿
・ドイツの特許権侵害における損害賠償
トビアス・ヴトゥケ産業財産権保護専門認定弁護士、欧州特許法・国際特許法講師、マイスナーボルテ特許法律事務所、ミュンヘン
執筆協力:服部 克郎日本弁理士 マイスナーボルテ特許法律事務所、ミュンヘン
特許裁判地を国際的に比較すると、ドイツは、損害賠償についても特許権者にとって有利といえる。本稿では、ドイツの特許侵害訴訟における、侵害と無効の訴訟分離主義だけでなく、侵害判決と損害賠償額算定の二段階手続についても詳細に説明する。
IPランドスケープ
(第6回)日本が、攻めの知財×経営でイノベーション立国となるには
伊藤 竜一株式会社ユーザベース Strategic Partner Division Sales Team General Manager
知財法論壇
(第8回)知的財産法教育に関する一考察 ―概念的な理解を促すために
佐々木 通孝国立大学法人山口大学 大学研究推進機構 知的財産センター 知財教育部門
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.20)「暗記型の教育」は悪いか
宮武 久佳東京理科大学教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO PCT法務・国際局上級部長
知財世界の醍醐味
(Vol.16)缶入りワイン事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
シリーズ「企業に聞く - 知財と標準化」
(第15回)シリーズ「企業に聞く―知財と標準化」総集編
福永 敬一一般財団法人日本規格協会 標準化研究センター
グローバル知財情報
日本の出願人も活用できる中国実用新案制度~日中実用新案制度における主要ポイントの対比を踏まえ~
方 喜玲中国弁護士・中国弁理士/方信グローバル知財サービス株式会社 代表取締役
米国最高裁判例評釈
イリノイ・ブリックの壁は崩れるのか アップル事件米国最高裁判所判決の検討
飯田 浩隆株式会社日立製作所法務本部インダストリー法務室部長代理
ワシントン便り
柳澤 智也(一財)知的財産研究教育財団 知的財産研究所ワシントン事務所 所長
書評
『実務詳説 著作権訴訟【第2版】』髙部 眞規子 著
笹原 敏司日本弁理士会 著作権委員会 副委員長
知財関連省庁からのお知らせ
「視聴覚的実演に関する北京条約」の発効について
外務省 経済局 知的財産室 課長補佐 西岡 貴央
「知恵の承継マニュアル」のご紹介~円滑な事業承継に向けて~
特許庁 総務部 普及支援課 支援企画班 柿沼 広樹
知的財産を経営に生かす中小企業事例集「Rights」を刊行しました~その価値を、どう使うか~
特許庁 総務部 普及支援課 産業財産権専門官 目黒 大地