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第11号
特集:「経営デザインシート」
定価:2,000円(税込)
発行日:2019年12月15日(会員用PDF版は2019年12月1日発行)
目次
巻頭言
コネクトする時代の知的財産権
荻野 誠日本ライセンス協会会長 東京理科大学経営学研究科教授
特集「経営デザインシート」
・開発ストーリー
知財等を活用して新しい価値をデザインする「経営デザインシート」
~知的財産戦略ビジョンが掲げる「価値デザイン社会」の実現~
内閣府 知的財産戦略推進事務局
ユーザの多様な価値観が市場をけん引する現代では、ニーズやウォンツに訴求できる価値を生み出す仕組みを構想すること、すなわち「経営をデザインする」ことが重要である。内閣府は、そのツールとして「経営デザインシート」(知財等を活用して新しい価値をデザインする思考補助ツール)を推奨している。本稿では、経営デザインシートの概要を説明するとともに、その狙いや効果などを解説する。
・活用方法
経営デザインシート、知的資産経営及び財務分析の相互検証
鈴木 健治経営コンサルタント・弁理士
経営デザインシート、事業性評価及び統合報告は、知的資産経営(特に、事業価値を高める経営レポート)のエッセンスを継承した経営ツールである。本稿では、財務分析やロカベンを含めたツール群につき事業の連続性を軸にポジショニングし(図1)、収益性、持続性及びキャッシュ・コンバージョンの区分で、財務指標と経営デザインシートを相互検証する可能性を探り(図3)、さらに、経営デザインシートに従う知財活動の提案に至った(図5)。
・活用方法
経営デザインシート活用のポイント~これまでの支援経験を踏まえて~
関 大地明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科兼任講師、公認会計士
経営デザインシートは、①新規事業の構想や②企業ビジネスの理解、③利害関係者とのコミュニケーションに役立つツールであり、その後の具体的な戦略検討の基礎にもなる。自社のビジネスの将来への期待(または危機感)をもってマネジメント層やベテラン社員も交えた複数メンバーで同シート作成に関われば、より良い成果が期待できる。そのためには現在の価値創造ストーリーを実態に即して整理するとともに、将来のストーリーをいかに柔軟に発想できるかがカギとなる。
・活用方法
GCC経営TMのフレームワークと経営デザインシートの融合
宮下 修ジェイ・フェニックス・リサーチ株式会社 代表取締役
弊社は日米大手の証券会社グループの証券アナリスト経験者が2003年に創業した独立系の財務アドバイザリー会社である。弊社は、独自に開発したGrowth(売上成長)、Connection(人・事業のつながりの改善=付加価値率・効率性・生産性の向上=投下した資本に対する利益率が向上)、Confidence(信頼の向上=調達した資本に対する価値創造力の向上=事業リスクの低下)の三要素の視点で分析するGCC経営TMのフレームワークを用いてアドバイザリーを行う。本論では、弊社のフレームワークと「経済デザインシート」を融合して価値創造の動きを株価に反映させる試みについて論じる。
・活用事例
経営デザインシートの活用事例
青森ケーブルテレビ株式会社 大和合金株式会社・三芳合金工業株式会社
企業における経営デザインシートの活用事例として、青森ケーブルテレビ株式会社および大和合金株式会社・
三芳合金工業株式会社の事例を紹介する(五十音順で掲載)。両事例とも経営者自らが経営デザインシートの作成に携わり、社内に公表したことで様々な効果を得られている。両社の代表取締役社長から、知的財産部門を含む今後経営デザインシートを作成する方々へのメッセージを頂戴しているので、参考にされたい。
・練習問題
経営デザインシートを書いてみよう!
・コラム
ホームページ等のご紹介/日本知財学会 経営デザイン分科会/リデザインコンペティション
寄稿
日本の営業秘密保護にみる政策の動き:シリコンバレーと比較して
荒木 昭子弁護士(日本国・カリフォルニア州)・弁理士
米国では、営業秘密保護を重視する多数派の州の中で、シリコンバレーの人材流動性を促進するため緩和された営業秘密法を維持するカリフォルニア州は特異な存在と位置付けられる。このような米国における「営業秘密保護強化」対「人材流動性」という対立構造の中で、日本の営業秘密法制はどのように位置付けられるか。本稿では、日本の営業秘密法制をカリフォルニア州の営業秘密法と比較することにより、日本の法制度の背後にある米国とは異なるポリシーの存在を明らかにしたうえで、さらに近年における日本のポリシーの変化の動きをみる。
IPランドスケープ
(第4回)オープンイノベーションを実現する骨太なIPランドスケープ
鈴木 健二郎株式会社テック・コンシリエ 共同創業者兼CEO
知財法論壇
(第6回)神戸大学における高度専門法曹養成の試み
前田 健神戸大学准教授
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.18)エネルギーを収穫する
宮武 久佳東京理科大学教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO PCT法務・国際局上級部長
知財世界の醍醐味
(Vol.14)ステーキの提供システム事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
シリーズ「企業に聞く - 知財と標準化」
(第13回)「オープンイノベーションの推進に知財・標準化を活用」
~株式会社ニットー~
福永 敬一一般財団法人日本規格協会 出版情報ユニット 出版情報企画課長
グローバル知財情報
韓国の知財を取り巻く環境(韓国知財)の最新状況2019
浜岸 広明日本貿易振興機構(ジェトロ)ソウル事務所 副所長
米国最高裁判例評釈
非道徳的、中傷的な商標の登録を禁止するランハム法第2条(a)の合憲性
ANDREI IANCU v. ERICK BRUNETTI, 588 U.S.___
藤本 知哉潮見坂綜合法律事務所 弁護士
知財関連省庁からのお知らせ
任期付職員(商標審査官(補))募集締切り迫る
~あなたの経験・知識を活かし、商標審査官としてブランドの審査をしてみませんか~
特許庁 商標課
外国出願補助金(中小企業等外国出願支援事業)のご紹介
~海外展開を検討している中小企業の皆様へ~
特許庁 総務部普及支援課 支援企画班 髙田 万柚香
知的財産管理技能士・活動報告
知財技能士から広がる新しい経済社会 -国民的SDGsを目指して-
全文公開
経営標準化機構株式会社 代表取締役 宮沢 悟/二級知財技能士・知的財産アナリスト(特許・コンテンツ)